

「花王の株価下落はなぜ?今後の買い時はいつか教えてほしい!」
こんな疑問、悩みに答えます。
本記事では「花王の株価が下落した理由を知りたい人」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。
- 花王の株価下落はなぜ起きたのか理由
- 花王と同業他社を業績・株価・配当性向から比較
- 今後の花王株はどうなる?買い時を将来性から考察
なぜ、花王の株価は下落したのか?
そして、花王の将来性・配当実施はどうなるのか?
花王株の購入を検討している方や買い時を探っている方にとって、非常に気になる情報です。
気になる花王の株価が下落した理由と今後の将来性について考察していきます。
結論、花王の株価が下落した理由は「長引く業績低迷」
コロナの影響によるインバウンド需要の減少。
足元では原材料価格の高騰などを受けて、大幅な減益を計上。
これらの業績低迷が、株価低迷を招く格好となりました。
今回の花王株にしても、株価の下落はいつ起こるか誰にも予測できません。
さらに今では、物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
そんな先の見えない時代だからこそ、「将来への備え」は重要です。
ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?
花王に限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります。
花王(4452)とはどんな会社?
花王の株価が下落した理由に触れる前に。
はじめに、花王とはどんな会社か?基本情報をまとめます。
商号 | 花王株式会社 |
---|---|
本店所在地 | 東京都中央区日本橋茅場町一丁目14番10号 |
創業 | 1887年6月(明治20年) |
設立 | 1940年5月(昭和15年) |
従業員数 |
8,403人(連結対象会社合計 35,411人) *2022年12月31日現在 |
資本金 | 854億円 |
発行済株式 | 465,900千株 |
事業分野 |
ハイジーン&リビングケア事業 ヘルス&ビューティケア事業 ライフケア事業 化粧品事業 ケミカル事業 |
業績
まず花王の業績についてです。
出典: 花王「連結経営成績」
事業内容
次に花王の事業内容は以下の通りです。
出典: 花王「事業分野(売上高比率)」
- ハイジーン&リビングケア事業
- ヘルス&ビューティケア事業
- ライフケア事業
- 化粧品事業
- ケミカル事業
この中でも、花王の主要事業を担うのは「花王製品」
「アタック」や「エッセンシャル」、「エマール」など、生活に欠かせない日用品を多く展開しています。
これらの事業(ハイジーン&リビングケア事業とヘルス&ビューティケア事業)だけで売上構成比は5割超え。
つまり、花王の強みは多岐にわたる商品展開。
消費財メーカー最大手というポジションを確立する会社だといえます。
配当・株主還元
花王の配当・株主還元についてです。
花王の配当推移は以下の通り。
2023年12月期の配当も増配予想を公表していることから、34期連続の増配企業となります。
出典: 花王「株主還元方針」
過去10年の株価推移
そして花王の過去10年の株価推移がこちらです。
2013年から2018年の5年間では、下値切り上げの長期上昇トレンドにあったことがうかがえます。
しかし、その後2年間はさえないボックス相場を形成。
そして2020年中頃は、高値を超えられずついに下落。
2021年には、上場来高値を付けた時の安値(支持線)を下回ってしまい、長期の下落局面へと突入します。
つまり、花王の株価下落が顕著なのは2020年以降。
これらの時期・ポイントにおいて、花王では何が起きたのか?
花王の株価下落はなぜ起きたのか?次章で詳しく解説していきます!
花王の株価下落はなぜ起きた?3つの理由
改めて、花王の過去10年における株価推移を再掲します。
花王の株価下落を考察するうえで、重要なポイントは3つです。
- 2020年以降に起きた株価下落
- 直近足元での長期にわたる株価低迷
- 2018年10月に起きた株価急落の原因
これらのタイミングで、花王では何が起きたのか?
なぜ株価下落を招いたのか。
時期を追って早速、花王の株価下落はなぜ起きたのか?3つの理由から解説します。
【理由1】コロナの影響で業績が悪化したから
まず1つ目の理由が「コロナの影響で業績が悪化したから」
2020年から流行した「新型コロナウイルス」
世界的な景気悪化を招く中、花王も例外なく業績に大きな影響を及ぼしました。
実際、花王の業績推移をみても低迷は明らか。
花王|業績推移 | 売上高(百万円) | 当期純利益(百万円) |
---|---|---|
2020年12月期 | 1,381,997 | 126,142 |
2019年12月期 | 1,502,241 | 148,213 |
2018年12月期 | 1,508,007 | 153,698 |
2017年12月期 | 1,489,421 | 147,010 |
(出典:花王「有価証券報告書」)
4年前の2017年12月期と比較して、売上高は▲107,424百万円。
当期純利益に至っては、▲20,868百万円と14.2%もの減益という大幅な業績悪化を招きました。
なぜこれほどまでに、コロナ影響は花王の業績を直撃したのか?
要因は以下の通りですが、影響が大きいのは「化粧品事業」の「インバウンド需要減少」
- インバウンド需要の大幅減少
- マスク着用常態化によるメイクアップ市場の減少
- 世界中で起きたロックダウンによる店舗閉鎖や外出規制の影響
結果的に、2020年6月に付けた高値を最後に、花王の株価は下落局面に突入。
2020年からの2年間で、どれくらい株価は下落したのか?
比較してみると以下の通りで、40%以上の下落を起こしているのがわかります。
花王|株価比較 | ①2020年の高値 | ①から2年後の株価 | 下落率 |
---|---|---|---|
株価 | 9,080円 | 5,054円 | -4,026円(44.3%安) |
つまり、花王の株価下落の理由はコロナによる業績悪化。
インバウンド需要が消滅し、市場減少に伴って、花王の業績も低迷したことが主因となります。
【理由2】原材料価格の高騰で営業利益が予想を下回ったから
次に2つ目の理由が「原材料価格の高騰で営業利益が予想を下回ったから」
2023年現在は、コロナも収束に向かい、インバウンド需要も回復基調にあります。
しかし、花王の業績は未だ低迷中。
なぜなら、世界的な物価高による原材料価格の高騰を受けているから。
実際、業績推移を確認しても明らか。
特に売上高に対する、営業利益率の伸びが鈍化しているのは明白です。
花王|業績推移 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 営業利益率(%) |
---|---|---|---|
2022年12月期 | 1,551,059 | 110,071 | 7.10 |
2021年12月期 | 1,418,768 | 143,510 | 10.12 |
2020年12月期 | 1,381,997 | 175,563 | 12.70 |
(出典:花王「決算短信」)
3年前のコロナの影響を受けた2020年12月期と比較して、売上高は169,062百万円増と伸長。
しかし、営業利益は▲65,492百万円と37.3%もの大幅減益を計上。
業績予想を大きく下回る結果となり、株価下落とその後の株価低迷を招きました。
ではなぜ、大幅減益を計上することになったのか?
原因は以下の通りですが、主因は前述の通り、原材料価格の高騰にあります。
- 原材料価格高騰の影響
- ロシア・ウクライナ問題等によるエネルギーコストの上昇
- 世界的なインフレによる消費行動の変化
業績悪化を受けて、花王の長谷部社長は、役員報酬の一部自主返納することを公表。
つまり、花王は外部要因に大きく左右される銘柄。
業績に影響する変数が多すぎるため、株価下落を招きやすい銘柄だといえます。
配当狙いで花王株を検討している方は、今後の株価動向に細心の注意を払う必要がありそうです。
【理由3】中国経済の減速と会社計画の上振れ期待が後退したから
そして3つ目の理由が「中国経済の減速と会社計画の上振れ期待が後退したから」
2018年10月2日、花王の株価は上場来高値(9,387円)を更新。
しかし、その後株価は急落し、わずか1ヶ月の間に2,000円近い株安を招きました。
花王の株価急落を招いた主たる原因は「中国経済の減速」
なぜなら、花王は中国関連株の一つだから。
中国経済が冷え込めば、花王の業績にも影を落とすことになります。
実際、中国経済の減速感が強まっているのは明らか。
中国の2018年7~9月期の実質GDP成長率は、9年半ぶりの低さとなっています。
では、花王の業績にはどれほどのインパクトがあったのか?
中国の景気減速が叫ばれる中、公表された決算(第3四半期業績)は、市場予想を下回る結果に。
通期決算をみても、売上高・営業利益ともに会社計画未達。
未達となった原因は、中国向けベビー用紙おむつ(メリーズ)の急失速による苦戦が背景にあります。
つまり、花王の株価下落の主たる原因は「中国経済の悪化」
2018年10月の株価下落を転機に、花王の株価は、長きにわたる低迷へと入ることになります。
今回の花王株にしても、株価の下落はいつ起こるか誰にも予測できません。
さらに今では、物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
先の見えない時代だからこそ、「将来への備え」は重要です。
ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?
花王に限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります。
花王と同業他社を業績・株価・配当性向から比較
ここまで、花王のみにフォーカスし株価や事業の将来性を解説してきました。
ただ1社のみの分析では結果に偏りが生じます。
同業他社と比較・分析することで、結果の確度はより高まります。
ここでは、花王と同業他社を業績・株価・配当性向から比較していきます。
消費財メーカーの銘柄比較
まず花王と消費財メーカーの銘柄比較をまとめた表が以下の通り。
比較表(2022年12月期) | 花王(4452) | ユニ・チャーム(8113) | ライオン(4912) |
---|---|---|---|
売上高 | 1兆5,510億円 | 8,980億円 | 3,898億円 |
当期純利益 | 860億円 | 676億円 | 219億円 |
営業利益率 | 7.10% | 13.31% | 7.40% |
自己資本比率 | 56.31% | 58.99% | 56.31% |
ROE (自己資本利益率) |
8.88% | 11.49% | 8.51% |
EPS (1株当たり純利益) |
183.28円 | 113.61円 | 77.04円 |
PER (株価収益率) |
28.67倍 | 44.61倍 | 19.65倍 |
PBR (株価純資産倍率) |
2.51倍 | 4.86倍 | 1.63倍 |
配当性向 | 80.8% | 33.4% | 32.4% |
配当利回り | 2.82% | 0.75% | 1.65% |
※2022年12月末時点(数値はEDINET、Yahoo!ファイナンスから引用)
【比較1】売上高1兆円超えの業界最大手企業
まず競合比較から明らかなのは「売上高1兆円超えの業界最大手企業」
【比較2】配当利回りは2.82%と高い水準
次に「配当利回りは2.82%と高い水準」
【比較3】営業利益率が7%台と不安材料になるほど低い
ただ懸念されるのは「営業利益率が7%台と不安材料になるほど低い」
今後の花王株はどうなる?買い時を将来性から考察
花王株は買いか否か。
結論、配当目当てでも買いを入れるのはリスクが高い。
なぜなら、インカムゲイン以上の損失を被る恐れがあるから。
今後の花王株はどうなる?買い時を将来性から考察していきます。
【考察1】成長機会のカギを握るのは価格転嫁?
まず抑えておきたいのが「成長機会のカギを握るのは価格転嫁?」
【考察2】連続増配を記録するも財務体質の改善は急務
さらに「連続増配を記録するも財務体質の改善は急務」
花王は33期連続で配当金の増配を実施。
2023年12月期の配当も増配予想をリリースしていることから、34期連続の増配企業となります。
出典: 花王「株主還元方針」
しかし、足元の業績は低迷中。
このまま増配を続ければ、配当必要額に届かない可能性あり。
これらの不安要素が拭えない限り、株価上昇は見込めないでしょう。
【考察3】K27実現に向けたビジネスモデルの変革なるか
そして「K27実現に向けたビジネスモデルの変革なるか」
【Q&A】株価下落が起きた花王の株式に関するよくある質問
最後に株価下落が起きた花王の株式に関するよくある質問をまとめます。
【質問1】花王の株価下落はジャニーズが原因?

「花王の株価下落はジャニーズが原因?」
【質問2】株価が下落すればリストラも起こりえる?

「株価が下落すればリストラも起こりえる?」
【質問3】業績低迷&株価低迷が続けば潰れる可能性もある?

「業績低迷&株価低迷が続けば潰れる可能性もある?」
まとめ:花王の株価下落理由と今後買い時か将来性から考察
花王の株価下落理由と今後買い時か将来性から考察してきました。
改めて、花王の株価が下落した理由をまとめると、
- コロナの影響で業績が悪化したから
- 原材料価格の高騰で営業利益が予想を下回ったから
- 中国経済の減速と会社計画の上振れ期待が後退したから