信越化学工業の株価が急落した理由とは?今後買い時か将来性や配当から考察
悩む男性

「信越化学工業の株価が急落した理由は?将来性から今後買いか教えてほしい!」

こんな疑問、悩みに答えます。

本記事では「信越化学工業株の将来性が気になっている人」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。

本記事で分かること

  • 信越化学工業の株価が急落した理由
  • 信越化学工業と同業他社を業績・株価・配当性向から比較
  • 今後の信越化学工業株はどうなる?買い時を将来性から考察

なぜ、信越化学工業の株価は急落したのか。

そして、今後の将来性は良いのか、悪いのか。
株購入を検討している方にとっては、非常に気になる情報です。

信越化学工業の株価が急落した理由と将来性を考察していきます。

先に結論をお伝えすると・・・

結論、信越化学工業の株価急落理由は「塩ビと半導体の市況が悪化したため」

信越化学工業の主力事業は、塩ビ・化成品事業。
世界最大の塩ビメーカーを誇るほど、世界中に顧客を持つ大手化学メーカーです。

そのような塩ビ市況に影を落とせば、収益にも影響を与えます。
さらに、売上の多くを占める半導体シリコンやシリコーンにも影響は避けられないでしょう。

これらの外部環境による逆風が、信越化学工業の株価を押し下げる要因になっています。

そして今回の信越化学株にしても、株価の下落はいつ起こるか誰にも予測できません。

さらに今では、物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
先の見えない時代だからこそ、「将来への備え」は重要です。

ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?

信越化学に限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります

信越化学工業とはどんな会社?

信越化学工業の株価が急落した理由に触れる前に。
はじめに、信越化学工業とはどんな会社か?基本情報をまとめます。

商号 信越化学工業株式会社
所在地 東京都千代田区丸の内一丁目4番1号
設立 1926年9月16日
資本金 119,419百万円
従業員数 25,717人

(※2023年4月27日時点)

業績

まず信越化学工業の業績についてです。

営業利益は10期連続の増益を達成。
また、売上高、経常利益ともに右肩上がりで増加しています。

事業内容

次に信越化学工業の事業内容は以下の通りです。

4つの事業で構成されます。
特に売上の半分ほどを占めるのが「生活環境基盤材料」

収益の要は、生活を支えるのに欠かせない「塩ビ」
信越化学は世界最大の塩ビメーカーを誇るほど、世界の需要に応えています。

実際、格付け会社のJCRによると、信越化学の格付見通しは「安定的」
競争優位性の高い事業を複数有しており、事業ポートフォリオは強固と評価しているほど、安定性に優れる会社です。

配当・株主還元

信越化学工業の配当・株主還元についてです。

信越化学工業の配当推移は以下の通り。
今期予想の2024年3月期でも、前期と変わらない水準を維持しています。

信越化学工業の1株あたり配当 中間配当 期末配当 合計
2024年3月期 50円(予想) 50円(予想) 100円(予想)
2023年3月期(※分割調整後) 45円 55円 100円
2022年3月期(※分割調整後) 30円 50円 80円
2021年3月期(※分割調整後) 22円 28円 50円
2020年3月期(※分割調整後) 22円 22円 44円

(出典:信越化学工業「株主配当推移(過去5年間)」

信越化学工業の株主優待制度はありません。

過去10年の株価推移

そして信越化学工業の過去10年の株価推移についてです。

過去10年間の株価推移をみると、長期的には上昇。
しっかり下値を切り上げ、株価は上昇しているのがわかります。

ただポイントでみれば、株価が急落・下落した局面はあります。

信越化学工業株の下落相場では何が起きたのか?次章で深堀解説します!

信越化学株にしても、株価の下落はいつ起こるか誰にも予測できません。

さらに今では、物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
先の見えない時代だからこそ、「将来への備え」は重要です。

ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?

信越化学に限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります

信越化学工業の株価が急落した3つの理由

ここから早速、信越化学工業の株価が急落した3つの理由について解説します。

改めて、過去10年間の信越化学工業の株価チャートが以下の通り。
推移をみると、直近2023年7月以降に株価は急落しているのがわかります。

さらに、2022年と2018年には、1年間ほど下落トレンドが続いています。

上記のタイミングで、信越化学工業では何が起きたいのか?
時期を追って、株価が急落し安くなった理由を詳しく解説していきます。

【理由1】今期業績予想が減収減益で嫌気されたから

まず、直近の動向から「今期業績予想が減収減益で嫌気されたから」

信越化学工業は、2023年7月に今期2024年度の業績予想を発表
内容は売上高・利益ともに減収減益で、特に連結純利益が前期比27%減(5,200億円)の影響は大きい。

業績予想が減収減益なので、同日に発表した決算内容も悪い。
前年同期比で売上高は8.8%減、連結純利益に至っては16.6%減という結果に。

ここまで業績悪化を見通す背景には、以下の要因が挙げられます。

信越化学工業の業績に影響を与える要因

  • 半導体市場の生産・在庫調整局面
  • 中国の建設市況悪化による塩ビへの影響
  • 2024年以降も続く不安定な経済情勢と景気減速懸念

つまり、外部環境による逆風が強いといえます。
信越化学工業の主力製品である塩ビや半導体シリコンの市況が不調で、減収減益となる見通しです。

ただ、会社側としても今期の業績予想に対し満足はしていません。
「さらに収益を伸ばす努力を鋭意続けていきます。」と決算の電話会議にて意欲を示されました。

2024年1Qの内容および業績予想で株価が急落したのは事実。
しかし、ロイターの見方でも下落は一時的とし、今後の活動に期待したいですね。

【理由2】塩化ビニル樹脂(塩ビ)の市況が悪化したから

信越化学の主力製品の一つでもある「塩化ビニル樹脂(塩ビ)の市況が悪化したから」

塩ビ市況が悪化すれば、信越化学の収益にも影響は避けられません。
なぜなら、塩ビは汎用樹脂であり信越化学工業の主力事業の一つだからです。

そして株価は、企業業績の影響を強く受けます。
実際、信越化学工業の株価が急落した2022年の塩ビ市況を確認してみると以下の通り。

上図の通り、2022年から急激に市況は悪化しているのがわかります。

その後も信越化学工業の株価は下落。
結局、塩ビ市況の底打ちが確認されるまで株は売られ、4,200円近辺だった株価も2,800円程度まで下落しました。

結果でみれば3割減もの急落を余儀なくされた信越化学株。
主力事業の収益を左右する市況の悪化は、株価下落の要因となり今後も注意が必要です。

【理由3】株価上昇の警戒感が強まり利益確定売りに押されたから

そして「株価上昇の警戒感が強まり利益確定売りに押されたから」

当時2018年の年始には、信越化学株が上場来高値を更新。
要因は、旺盛な半導体需要および塩ビの上振れ期待が買い材料となったようです。

その結果、株価も1年半近く上昇トレンドが続きました。

ただしかし、株価の上昇は永遠には続きません。
高値圏を推移していた株価に警戒感が強まり、利益確定売りが先行。

2018年1月につけた高値の2,458円から12月には1,629円まで下落。
蓋を開けてみたら3割もの株価が1年の間に急落する結果となりました。

ではなぜ利益確定の売りが先行してしまったのか?
それは、一つに半導体市況の悪化による業績への影響だといえます。

実際、WSTSによると、2019年の半導体市場規模が前年比12%減るとの予想を発表。

減少率はリーマン・ショック後の09年(9%減)を上回る水準。
米中貿易摩擦などによる景気の先行き不透明感が強まった恰好だといえます。

つまり、株価が好調なときほど注意が必要。
いつ売られるか不透明な中、投資先は分散させてリスク回避に努めるのが賢明です。

今回の信越化学株にしても、株価の下落はいつ起こるか誰にも予測できません。

さらに今では、物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
先の見えない時代だからこそ、「将来への備え」は重要です。

ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?

信越化学に限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります

信越化学工業と同業他社を業績・株価・配当性向から比較

ここまで、信越化学工業のみにフォーカスし株価や事業の将来性を解説してきました。

ただ1社のみの分析では結果に偏りが生じます。
同業他社と比較・分析することで、結果の確度はより高まります。

ここでは、信越化学工業と同業他社を業績・株価・配当性向から比較していきます。

化学メーカー大手の銘柄比較

まず信越化学工業と化学メーカー大手の銘柄比較をまとめた表が以下の通り。

比較表(2023年度) 信越化学 三菱ケミカルG 住友化学 富士フイルムHD 旭化成
売上高 2兆8,088億円 4兆6,345億円 2兆8,953億円 2兆8,590億円 2兆7,264億円
当期純利益 7,082億円 960億円 70億円 2,194億円 △913億円
営業利益率 35.5% 3.9% 3.2% 9.5% 4.7%
自己資本比率 81.8% 27.1% 28.1% 66.8% 48.0%
ROE
(自己資本利益率)
18.3% 6.1% 0.6% 7.9% -5.45%
EPS
(1株当たり純利益)
347.84円 67.85円 4.27円 547.5円 -66.3円
PER
(株価収益率)
12.29倍 11.58倍 104.22倍 12.23倍 -倍
PBR
(株価純資産倍率)
2.23倍 0.71倍 0.62倍 0.97倍 0.77倍
配当性向 28.7% 44.4% 421.2% 23.8% -%
配当利回り 2.34% 3.82% 4.04% 1.94% 3.89%

※2023年3月末時点(数値はEDINETYahoo!ファイナンスから引用)

【比較1】純利益は2期連続の最高を更新

まず、業績で秀でるのは「純利益は2期連続の最高を更新」

信越化学工業の当期純利益は、「7,082億円」と2期連続更新。
日本企業全体における23年3月期の最終損益額でも、トップ10入りする好調ぶりです。

【比較2】ROEは18%前後と業界トップクラスの収益性

次に競合比較でも明らかなのは「ROEは18%前後と業界トップクラスの収益性」

信越化学工業のROEは『18.3%』
競合他社は10%を下回る水準の中、信越化学工業は18%を超えています。

ROEは、投資判断をつける上で重要指標の一つ。
実際、海外投資家を呼び戻す要因としてROEの改善が期待されています。
(出典:ニッセイアセットマネジメント「ファンドレポート(2023年6月20日」

ちなみに、日経によると日本のプライム市場に上場する企業のROEは『9.7%』
比較しても、信越化学工業の方が高く、収益性・資本効率性の観点からも優れた企業だといえます。

【比較3】配当性向は30%を下回るも今後は35%を目指す方針

そして「配当性向は30%を下回るも今後は35%を目指す方針」

信越化学工業の配当性向は『28.7%』
競合と比較すると、決して高くはない水準となっています。

ただ、今後は35%を目指す株主還元策強化を方針に掲げています。

株主還元を資本政策の一環として重視し、諸事情を勘案しつつ、35%前後の配当性向を中長期的な目安に安定的な配当に努めていきます。

今後の配当にも期待が高まりますね。

今後の信越化学工業株はどうなる?買い時を将来性から考察

信越化学工業株は買いか否か。
結論、直近下落相場の中で拾うのはリスクが高い。

なので、しばらくは「様子見」が賢明。
今後も株価の動向と決算の内容をウォッチするのが良いと思います。

今後の信越化学工業株はどうなる?買い時を将来性から考察していきます。

【考察1】目標株価は5,000円越えと強気

まず証券アナリストの予想をみると「目標株価は5,000円越えと強気」

いずれも5,000円を超える株価予想。
直近の株価水準から考えれば、600円強プラスの予想となっています。

実際、信越化学工業の実績は秀でるものがあります。
業績でも当期純利益は7,000億円を超えており、売上高は2兆円の巨大企業。

今後の更なる成長と市況変化に耐えうる強固な財務基盤を築き上げていただきたいです。

【考察2】円安効果を追い風に塩ビと半導体ウエハは好調

足元の動向でみると「円安効果を追い風に塩ビと半導体ウエハは好調」

信越化学工業の海外売上高比率は、8割を超えています。

つまり、業績に対する円安効果は大きいということ。
実際、ロイターによると、年間の為替感応度は1円の変動で、営業利益に対して58億円の影響があるという。

今後も円安が進めば、信越化学工業の業績は恩恵を受けるとみられています。

【考察3】半導体市況の調整が長期化するかがポイント

今後株価を占ううえで重要なのは「半導体市況の調整が長期化するかがポイント」

信越化学の業績を支える半導体材料。
半導体市況の調整が長引けば、業績への影響も避けられません。

ただ、2024年以降には世界半導体産業は回復に向かうと予想されています。
WSTSによると、2024年は11.8%増の5,760億米ドルに回復し、過去最高値を更新するとしています。

為替レートだけでなく、半導体市況の動向にも注視する必要があります。

信越化学はじめ株式投資で損しないためにはどうすればいい?

悩む男性3

「株式投資に挑戦したいけど、株で損を出したくはない。。。」

投資初心者に限らず、誰もが感じること。
「信越化学はじめ株式投資で損しないためにはどうすればいいのか?」

結論からいうと、プロに相談するのがおすすめです。

その道のプロフェッショナルに頼るのが賢明。
ここでいう「プロ」とは、「ファイナンシャルプランナー(FP)」のことを指します

残念ながら、投資初心者が株式や投資信託に手を出しても、大概負けます。

なぜなら、投資経験が少なすぎるから。
実際、金融庁が公表した資料にも、投資信託を購入した顧客のうち、7割が損をしている結果となりました。

株への投資はリスクを伴います。
元本保証もないため、投資を行う前に「知識」と「経験」を養うことが必須です。

「知識」は本なり、動画でいくらでも習得できます。
しかし、経験だけは実際の相場に触れて、株を購入する他経験が積めません。

つまり、自己資金を費やさなければならないということ。

でも、分かっていても怖いのが株式投資。
お金に悩んでいるのに、お金が減ってしまっては本末転倒。

だからこそ、経験が浅いうちは「プロに頼る」のが最適解ともいえます。

  • お金のことで悩んでいて、資産運用を始めたい。
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上記のように、お金の悩みを解消したい方は「マネプロ」に相談するのがおすすめです。

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  • 今後出産、子供の将来を考えた時 ⇒ 子育て費用や教育資金の貯め方についての悩み
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上記のような悩みに対応します。
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【Q&A】急落した信越化学工業の株価に関するよくある質問

最後に急落した信越化学工業の株価に関するよくある質問をまとめます。

【質問1】信越化学に株主優待はない?

悩む男性2

「信越化学に株主優待はない?」

結論、株主優待制度はありません。

【質問2】2024年3月期の配当予想を教えて!

悩む男性2

「2024年3月期の配当予想を教えて!」

2024年3月期の配当予想は「100円」
中間配当金が50円、期末配当金が50円と予想しています。

【質問3】信越化学の株分割はいつ?株価はどれくらい上がった?

悩む男性2

「信越化学の株分割はいつ?株価はどれくらい上がった?」

株式分割は2023年3月31日を基準日として実施。
分割比率は「1:5」となり、個人投資家も手が届きやすい水準となりました。

株式分割を発表したのは、2023年1月26日。
分割発表と合わせて、増配も発表したことから株価は5日続伸。

では、どれくらい上がったのか?
発表前の株価(3,495円)に比べて、5日後の株価は「3,815円」
(出典:Yahoo!ファイナンス「信越化学工業(株)」

5日間で株価が320円(9.2%高)急伸したことになります。

「株式分割」「増配」は市場への影響もポジティブ。
今後も、これらの施策が実施されるか動向を注視したいところです。

まとめ:信越化学工業の株価急落理由と今後買い時か将来性や配当から考察

信越化学工業の株価急落理由と今後買い時か将来性や配当から考察してきました。

改めて、信越化学工業の株価が急落した理由をまとめると、

信越化学工業の株価が急落した理由

  1. 今期業績予想が減収減益で嫌気されたから
  2. 塩化ビニル樹脂(塩ビ)の市況が悪化したから
  3. 株価上昇の警戒感が強まり利益確定売りに押されたから

お金の悩みを解消したい方は「マネプロ」に相談するのがおすすめです。

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