

「日本郵政の株価はなぜ安い?今後どうなるか将来性を教えてほしい!」
こんな疑問、悩みに答えます。
本記事では「日本郵政の株価が安い理由を知りたい人」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。
- 日本郵政の株価が安い理由
- 日本郵政と競合他社を業績・株価・配当性向から比較
- 日本郵政株は今後どうなる?買うべきか将来性から考察
なぜ、日本郵政の株価は安いのか?
そして、日本郵政の将来性・配当実施はどうなるのか?
日本郵政株の購入を検討している方や買い時を探っている方にとって、非常に気になる情報です。
気になる日本郵政の株価が安い理由と今後どうなるか将来性について考察していきます。
結論、日本郵政の株価が安い理由は「業績の低迷」
足元の実績だけではありません。
今期の業績見通しも、前期比で減収減益を予想しています。
業績が低迷すれば、株価も低迷。
成長シナリオを描けない限り、株価上昇の機運を掴むのは難しいでしょう。
今回の日本郵政株にしても、株価の下落はいつ起こるか誰にも予測できません。
さらに今では、物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
そんな先の見えない時代だからこそ、「将来への備え」は重要です。
ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?
日本郵政に限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります。
日本郵政とはどんな会社?
日本郵政の株価が安い理由に触れる前に。
はじめに、日本郵政とはどんな会社か?基本情報をまとめます。
名称 | 日本郵政株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 |
設立年月日 | 2006年1月23日 |
資本金 | 3兆5,000億円 |
発行済株式 | 3,657,797,700株 |
従業員数 | 1,485名(2023年3月31日 現在) |
事業内容 | グループの経営戦略策定 |
業績
まず日本郵政の業績についてです。
出典: 日本郵政「決算ハイライト」
日本郵政の業績は右肩下がりに推移。
今期の業績見通しについても、前期比で減収減益を予想しています。
事業内容
次に日本郵政の事業内容は以下の通りです。
- 郵便・物流事業(日本郵便)
- 郵便局窓口事業(日本郵便)
- 国際物流事業(日本郵便)
- 銀行業(ゆうちょ銀行)
- 生命保険業(かんぽ生命保険)
売上に占める割合で最も高いのは「かんぽ生命保険」
2023年3月期の経常収益(111,385億円)に対して、57.3%と6割近くをかんぽ生命保険が占めていることになります。
配当・株主還元
日本郵政の配当・株主還元についてです。
上場後の株価推移
そして日本郵政の上場後の株価推移についてです。
上場直後から株価急落に見舞われています。
その後、上場来高値を更新することなく、長期にわたって株価は低迷。
日本郵政は、非常に参入が難しい銘柄だといえそうです。
日本郵政株にしても、株価の下落はいつ起こるか誰にも予測できません。
さらに今では、物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
先の見えない時代だからこそ、「将来への備え」は重要です。
ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?
日本郵政に限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります。
なぜ安い?日本郵政の株価が安い3つの理由
改めて、日本郵政の上場後の株価推移を再掲します。
日本郵政の株価が安い原因を考察するうえで、重要なポイントは3つです。
- 直近足元で株価が下落した原因
- 2019年7月に起きた株価急落の原因
- 上場後間もなく株価低迷が起きた原因
これらのタイミングで、日本郵政では何が起きたのか?
なぜ株安を招いてしまったのか。
時期を追って早速、日本郵政の株価が安い3つの理由について解説します。
【理由1】業績の大幅減益予想が嫌気されたから
足元で起きた原因は「業績の大幅減益予想が嫌気されたから」
日本郵政の業績は、さえない決算が続いています。
実際に、日本郵政の経常収益と当期純利益を推移でみると、以下の通りです。
日本郵政|業績推移 | 経常収益(百万円) | 当期純利益(百万円) |
---|---|---|
2023年3月 | 11,138,580 | 431,066 |
2022年3月 | 11,264,774 | 501,685 |
2021年3月 | 11,720,403 | 418,238 |
2020年3月 | 11,950,185 | 483,733 |
2019年3月 | 12,774,999 | 479,419 |
増減(5年前と比較) | ▲1,636,419(12.8%減) | ▲48,353(10.1%減) |
(出典:日本郵政「有価証券報告書・四半期報告書」)
上記は、日本郵政の過去5年間における実績推移となります。
経常収益、当期純利益ともに減収減益を更新。
5年前の決算(2019年3月)と比較して、直近の経常収益は12.8%も減収しているのがわかります。
さらに、来期の業績見通しも雲行きはすでに怪しいです。
2023年5月15日に開示した2024年3月期の連結業績予想によると、経常収益は10,860,000百万円。
当期純利益に至っては、240,000百万円の前期比44.3%減で大幅減益を見込んでいます。
決算がさえない銘柄は、投資家からも嫌気されます。
結果、業績予想を発表した直後に株価は急反落し、前日終値と比較して7.2%もの株安を招きました。
日本郵政|株価比較 | 決算発表前日の終値 (2023年5月15日) |
決算発表直後の安値 (2023年5月16日) |
下落率 |
---|---|---|---|
株価 | 1,139円 | 1,057円 | -82円(7.2%安) |
その後も株価は反発することなく下落。
つまり、日本郵政の株価がさえない最たる原因は、業績に期待できない点が挙げられます。
【理由2】子会社のかんぽ生命保険が不祥事を起こしたから
2019年7月に起きた株価急落の原因は「子会社のかんぽ生命保険が不祥事を起こしたから」
2019年7月10日にかんぽ生命保険はリリースを公表。
内容は「契約乗換によりお客さまに不利益が生じたこと」とし、不適切販売が横行していたことを報告。
会社の不祥事が明るみになるや否や、株価は急落。
投資家心理だけでなく、顧客の信頼も裏切ったとして、すぐに株価にも影響した形となりました。
では、不適切販売の問題で日本郵政の株価は、どれくらい下がったのか?
先月末と比較すると以下の通りで、1ヶ月の間に12.5%の下落を起こしたことがわかります。
日本郵政|株価比較 | 2019年6月末の終値 | 2019年7月末の終値 | 下落率 |
---|---|---|---|
株価 | 1,220円 | 1,068円 | -152円(12.5%安) |
連日の株安で、日本郵政は上場来安値を更新。
同年には、日本郵政グループに対して行政処分を行ったことを金融庁が公表。
つまり、日本郵政の株価低迷を招いた原因の一つが、本件問題にあるといえそうです。
【理由3】政府による株の大量放出と巨額買収に失敗したから
そして3つ目の理由が「政府による株の大量放出と巨額買収に失敗したから」
上場前に日本郵政株を100%保有していたのは、政府です。
日本郵政は、政府保有株式の最後にして最大の上場といわれるほど、注目を集めたIPO銘柄の一つ。
なんですが、投資家は冷ややかな目で動向を注視していたようです。
なぜなら、政府の保有株を大量に市場に放出すれば、需給悪化が起こりえるから。
実際、政府が日本郵政株の売却意向を示すたびに株価は急落。
事実よりも先に思惑先行で、日本郵政はたびたび市場から売りを浴びせられる格好となりました。
ちなみに、過去3度にわたり日本郵政は政府保有株の売出を実施。
その結果、2023年9月30日現在の政府保有割合は33.33%で、現行法上の政府保有義務は1/3超となっています。
さらに、日本郵政は巨額買収で失敗した過去があります。
それがオーストラリアの物流大手「トール・ホールディングス」
買収したのは、日本郵政が上場する前の2015年。
買収額は約6,200億円という巨額買収でしたが、結果的に4,000億円の巨額損失を計上する大失敗に終わりました。
当時の減損損失を計上したリリースがこちら。
買収失敗を受けて、衆議院でも「今般の買収は見通しが甘かったのではないか」と質問が提出されるほど。
もともと復興財源に充てる目的で、日本郵政を上場させているため、株価が下落してしまっては面目も立たないでしょう。
つまり、日本郵政の上場後にくすぶった株価軟調は、どうしても晴れない先行き不透明感が強まったことが原因として挙げられます。
今回の日本郵政株にしても、株価の下落はいつ起こるか誰にも予測できません。
さらに今では、物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
先の見えない時代だからこそ、「将来への備え」は重要です。
ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?
日本郵政に限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります。
日本郵政と競合他社を業績・株価・配当性向から比較
ここまで、日本郵政のみにフォーカスし株価や事業の将来性を解説してきました。
ただ1社のみの分析では結果に偏りが生じます。
競合他社と比較・分析することで、結果の確度はより高まります。
ここでは、日本郵政と競合他社を業績・株価・配当性向から比較していきます。
サービス業(金融・物流)の銘柄比較
まず日本郵政とサービス業(金融・物流)の銘柄比較をまとめた表が以下の通り。
比較表(2023年度) | 日本郵政(6178) | 第一生命HD(8750) | ヤマトHD(9064) |
---|---|---|---|
売上高 | 11兆1,385億円 | 9兆5,194億円 | 1兆8,006億円 |
当期純利益 | 4,310億円 | 1,923億円 | 458億円 |
自己資本比率 | 3.40% | 4.30% | 55.11% |
ROE (自己資本利益率) |
3.85% | 7.21% | 7.64% |
EPS (1株当たり純利益) |
120.82円 | 189.28円 | 126.63円 |
PER (株価収益率) |
8.91倍 | 12.86倍 | 17.92倍 |
PBR (株価純資産倍率) |
0.37倍 | 0.83倍 | 1.35倍 |
配当性向 | 41.4% | 45.4% | 36.3% |
配当利回り | 4.64% | 3.53% | 2.03% |
※2023年3月末時点(数値はEDINET、Yahoo!ファイナンスから引用)
【比較1】ROEは3%台と収益性に難あり
まず競合と比較しても明らかなのは「ROEは3%台と収益性に難あり」
【比較2】自己資本比率も極めて低く財務基盤強化が急務
さらに懸念されるのは「自己資本比率も極めて低く財務基盤強化が急務」
【比較3】配当利回りは4%前後と高い水準を維持
ただ、注目すべきは「配当利回りは4%前後と高い水準を維持」
日本郵政は配当利回りが高い銘柄としても有名。
実際、配当利回りは4%前後を推移しており、過去には5%台を付けた時期もありました。
日本郵政株は今後どうなる?買うべきか将来性から考察
日本郵政株は買いか否か。
結論、配当金目当てでも買いを入れるのはリスクが高い。
上値の重い展開が続く相場で、株を拾うのは慎重になるべき。
日本郵政株は今後どうなる?買うべきか将来性から考察していきます。
【考察1】今後の成長シナリオが見通せない
まず注視したいのは「今後の成長シナリオが見通せない」
日本郵政の業績は低迷中。
足元の実績だけでなく、業績見通しも減収減益を予想しています。
業績が右肩下がりの中で、株を買うのはいかがなものか?
株価上昇の最たる要因は業績です。
業績が悪ければ、どんなに株価対策しようとも期待薄。
【考察2】特に郵便・物流の不振が止まらず
「特に郵便・物流の不振が止まらず」
【考察3】株式保有者の約3割が政府なのも懸念材料
「株式保有者の約3割が政府なのも懸念材料」
【Q&A】株価が安い日本郵政の株式に関するよくある質問
最後に株価が安い日本郵政の株式に関するよくある質問をまとめます。
【質問1】日本郵政に株主優待はある?

「日本郵政に株主優待はある?」
【質問2】日本郵政の配当はいつもらえる?

「日本郵政の配当はいつもらえる?」
【質問3】2016年1月に株価が暴落した原因は?

「2016年1月に株価が暴落した原因は?」
【質問4】中間配当見送りが嫌気されて株価も急落?

「中間配当見送りが嫌気されて株価も急落?」
【質問5】日本郵政株の売り時はいつ?長期保有は危険?

「日本郵政株の売り時はいつ?長期保有は危険?」
まとめ:日本郵政の株価が安い理由と今後どうなるか将来性から考察
日本郵政の株価が安い理由と今後どうなるか将来性から考察してきました。
改めて、日本郵政の株価が安い理由をまとめると、
- 業績の大幅減益予想が嫌気されたから
- 子会社のかんぽ生命保険が不祥事を起こしたから
- 政府による株の大量放出と巨額買収に失敗したから