LINEヤフー(旧Zホールディングス)の株価はなぜ安い?今後大化けする可能性はある?会社の将来性を教えてほしい!
こんな疑問、悩みに答えます。
本記事では「LINEヤフー株の将来性が気になっている方」や「投資のリスクを減らしたい方」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。
- LINEヤフーの株価が安い理由
- LINEヤフーと同業他社を業績・株価・配当性向から比較
- LINEヤフー株は今後大化けする?将来性から買い時を考察
なぜ、LINEヤフーの株価は安いのか?
そして、LINEヤフーの株価は今後どうなるのか?
LINEヤフー株の購入を検討している方や株式投資のリスク分散したい方にとって、非常に気になる情報です。
気になるLINEヤフーの株価が安い理由と今後どうなるか将来性について考察していきます。
結論、LINEヤフーの株価が安い理由は「収益性が低いから」
その最たる証拠はEPSの低さ。
株式の希薄化も相まって、足元では価格低下が続いています。
EPSが上がらなければ、株価も安いまま。
さらに、事業環境はいっそうの厳しさを増し、業績低迷も続いています。
これら収益性の低さと事業の将来性が見通せないことから、株価は安い状態を招いているといえます。
※2023年10月1日に「Zホールディングス株式会社」は「LINEヤフー株式会社」に社名変更。変更に伴い、本記事も「LINEヤフー」と「Zホールディングス」は同義語として解説していきます。
LINEヤフーとはどんな会社?
LINEヤフーの株価が急落した理由に触れる前に。
はじめに、LINEヤフーとはどんな会社か?基本情報をまとめます。
会社名 | LINEヤフー株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー |
設立年月日 | 1996年1月31日 |
従業員数 | 連結 2万8385人(2023年3月31日現在) |
資本金 | 248,144(百万円)(2024年3月末時点) |
発行済株式 | 7,637,068,986株 (2024年3月末時点) |
主な事業内容 | インターネット広告事業 イーコマース事業及び会員サービス事業などの展開並びにグループ会社の経営管理業務など |
業績
まずLINEヤフーの業績についてです。
LINEヤフーの2024年3月期における売上高は、1兆8,146億円。
前年同期比8.5%増と、過去最高の売上高を達成し、順調に右肩上がりで増収しています。
事業内容
次にLINEヤフーの事業内容は以下の通りです。
- メディア事業
- コマース事業
- 戦略事業
- その他
売上に占める割合が最も高い事業は「コマース事業」で、売上が8,215 億円。売上構成比は5割を占めています。続いて、メディア事業の成長も著しく、2024年3月期ではコマース事業に次ぐ 7,076 億円となっています。
配当・株主還元
LINEヤフーの配当・株主還元についてです。
2024年度の1株当たり配当は「5.56円」
2019年度から比較(8.86円)して、徐々に減配しているのが懸念されます。
株主優待はありません。
出典:株式還元・配当
過去10年の株価推移
そしてLINEヤフーの過去10年の株価推移についてです。
大局観でみると、LINEヤフーの株価は非常にさえません。
足元では、株価低迷が続いています。
また、直近1年間はボックス相場を形成しており、上値余地もないくすぶる展開となっています。
2021年11月22日に付けた高値(839.6円)から考えると、現在は約半値まで株価も安くなったことになります。
なぜ安い?LINEヤフーの株価が安い3つの理由
上図の通り、LINEヤフーの過去10年間における株価チャートを再掲します。
なぜ、LINEヤフーの株価は安いのか?
なぜ、長期にわたって上昇相場を形成できないのか?
株主だけでなく、投資を検討する個人投資家にとっても非常に気になる情報です。
ここでは、LINEヤフーの株価について「大局的なポイント」と「局所的なポイント」にわけて考察します。
具体的ななぜ安い?LINEヤフーの株価が安い3つの理由について解説していきます。
【理由1】株式の希薄化によってEPSが低いから
まず大局的な観点で考察すると「株式の希薄化によってEPSが低いから」
EPSとは、1株当たり純利益のこと。
企業がどれだけ利益を上げたかを表す、企業価値を判断する上で重要な指標の一つです。
企業の収益力・成長性をみる指標であるため、EPSが高いと株価も上昇しやすいといえます。
このEPSについて、LINEヤフーは残念ながら低いです。
実際、過去8年間の推移でみると、成長するどころか低下しているのがわかります。
LINEヤフー | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
EPS | 30.15円 | 23.99円 | 23.04円 | 14.74円 | 16.88円 | 14.02円 | 10.20円 | 23.87円 |
直近の実績は上昇がみられるも、低下傾向なのは明らか。
さらに、同業にあたるEC大手2社と比較してみると、結果は以下の通りとなります。
EPS比較 | LINEヤフー | アスクル | ZOZO |
---|---|---|---|
EPS(2022年度) | 23.87円 | 100.43円 | 131.83円 |
同業と比較して、LINEヤフーのEPSは1/4以下。
IT業界の平均的なEPS(100円前後)よりも、はるかに低い水準であることがわかります。
ではなぜ、LINEヤフーのEPSは低いのか?
いくつかの原因はあるものの、最たるは発行済み株式数が多いこと。
LINEヤフー(旧Zホールディングス)は過去に、LINEとの経営統合を発表。
その際、LINEヤフーは新株を28億株発行。
当時の発行済み株式数が48億株だったため、大幅増加による株式の希薄化が起きました。
発行済み株式数が増えれば、株式の希薄化によるEPSも減少します。
この現象を「ダイリューション」とも呼び、相対的に1株あたりの価値が低下することを指します。
つまり、LINEヤフーの株価が安いのは、EPSが低いことが原因の一つ。
EPSの改善・向上が見られない限り、株価も安いままなのは言うまでもありません。
【理由2】新株予約権発行による需給悪化が嫌気されたから
個別のポイントで考察すると「新株予約権発行による需給悪化が嫌気されたから」
時期でいえば、2021年11月~12月。
高値から急反落し、現在の株価低迷を招いた時期になります。
下落した原因にいくつかの要因はあるものの、一つに新株予約権の発行があります。
新株予約権を発行すれば、株式の需給は悪化します。
需給悪化だけでなく、株式の希薄化を招き、EPSの減少も懸念されます。
ではなぜ、新株予約権を発行したのか?
理由は、東証の市場区分再編に伴う条件(流通株式比率)を満たすため。
当時のZホールディングスは、最上位の「プライム市場」を選択。
プライム市場の基準に達するために、リリースにある通り新株予約権発行を決議したわけです。
この動きが株式の需給悪化を招くと嫌気され、株価は急落。
実際、どれくらい株価は下落したのか?推移でみると以下の通りです。
LINEヤフー|株価推移 | 発表当日の終値 | 発表翌日の安値 | 下落率 |
---|---|---|---|
株価 | 762.2円 | 723.2円 | -39円(5.1%安) |
わずか1営業日で5.1%の株安を招く結果となりました。
そもそも買われ過ぎだったのも否めません。
利益確定の売りが強まる中、新株予約権の発行が加わり、売り先行したことも考えられます。
その後も、業績の減益発表やデジタル広告の伸び鈍化など。
つまり、株価上昇につながる材料が見通せないことから、長期にわたって株安が続いているということです。
【理由3】大幅減益の業績見通しがネガティブ視されたから
さらに3つ目の理由として「大幅減益の業績見通しがネガティブ視されたから」
過去、LINEヤフーは大幅な減益見通しを発表してきました。
なかでも株安を招いた決算が、2018年3月期の内容。
前期比で営業利益、純利益ともに減益となり、業績低迷は明らかでした。
さらに嫌気されたのは、来期の業績見通し。
積極投資を実施するにあたり、営業利益は1300~1400億円になる見通しだと公表しました。
ただ、当期(2018年3月期)の営業利益が1,858億円。
計算すると24%以上の大幅減益になることから、投資家からは嫌気され、売り優勢の相場へ発展。
実際、どれくらいの株価下落を招いたのか?推移でみると以下の通りです。
LINEヤフー|株価推移 | 決算発表日の終値 | 決算発表後の安値 | 下落率 |
---|---|---|---|
株価 | 450円 | 385円 | -65円(14.4%安) |
わずか1営業日で、14%以上の大幅反落。
その後も上昇基調は掴めず、年内の株価は250円(2018年12月25日)まで下落する結果となりました。
つまり、LINEヤフーの株価が安いのは、業績の低迷が続いていること。
特に、ネット広告市場を取り巻く市況環境の悪化も原因の一つと見られています。
LINEヤフーと同業他社を業績・株価・配当性向から比較
ここまで、LINEヤフーのみにフォーカスし株価や事業の将来性を解説してきました。
ただ1社のみの分析では結果に偏りが生じます。
同業他社と比較・分析することで、結果の確度はより高まります。
ここでは、LINEヤフーと同業他社を業績・株価・配当性向から比較していきます。
EC業界の銘柄比較
まずLINEヤフーとEC業界の銘柄比較をまとめた表が以下の通り。
比較表(2023年度) | LINEヤフー(4689) | ZOZO(3092) | アスクル(2678) |
---|---|---|---|
売上高 | 1兆8,146億円 | 1,970億円 | 4,467億円 |
当期純利益 | 1,131億円 | 443億円 | 97億円 |
営業利益率 | 11.47% | 30.49% | 3.27% |
自己資本比率 | 33.58% | 52.36% | 28.20% |
ROE (自己資本利益率) | 3.80% | 54.98% | 16.19% |
EPS (1株当たり純利益) | 15.10円 | 148.19円 | 100.43円 |
PER (株価収益率) | 25.7倍 | 25.68倍 | 17.98倍 |
PBR (株価純資産倍率) | 0.96倍 | 13.34倍 | 2.74倍 |
配当性向 | 36.8% | 70.2% | 33.9% |
配当利回り | 1.43% | 2.73% | 1.79% |
【比較1】ROEが8%未満と低い水準
まず同業比較で明らかなのは「ROEが8%未満と低い水準」
LINEヤフーのROEは、直近実績で3.80%。
いずれの年度をみても、8%を下回る期が多くあります。
【比較2】PBRは1倍割れの経営効率に課題あり
さらに「PBRは1倍割れの経営効率に課題あり」
LINEヤフーのPBRは、0.96倍。
【比較3】配当利回りも1%台とリターンが少ない
個人投資家も注目する「配当利回りも1%台とリターンが少ない」
LINEヤフーの配当利回りは、1.43%。
過去の推移をみても、1~2%未満に留まり、高い水準とはいえない状況です。
配当狙いで銘柄を探す投資家にとっては、魅力は伝わりづらいのが実情としてあります。
LINEヤフー株は今後大化けする?将来性から買い時を考察
ここまで、LINEヤフーの株価が安い理由について解説してきました。
投資を検討している方にとって、特に気になるのは「株価の今後」
LINEヤフーの将来性はどうなのか?
今後大化けする可能性はあるのか?そのときの買い時はいつか?
株価の見通しを占ううえで、事業の将来性を考察することも重要です。
ここでは、LINEヤフー株は今後大化けする?将来性から買い時を考察していきます。
【考察1】2023年の不正アクセスによる情報漏洩の余波
2023年11月27日に発表された、不正アクセスによる、情報漏えいに関するお知らせとお詫びで、30万件以上の個人情報が漏洩したことが明らかになりました。その後、総務省から行政指導が入りました。
2024年度第1四半期の決算報告会でも、この件に絡んだセキュリティ対策の進捗が報告されました。こうしたセキュリティリスクの払拭、信頼回復にも注視していきたいところです。
【考察2】EPS の改善
上述した通り、EPS が低いことが株価低迷の理由として上げましたが、EPS を改善するために1500億円の自己株式の取得を行うことが発表されました。
公開買付の期間は2024年8月5日から2024年9月2日までとなっています。
まとめ:LINEヤフーの株安理由と今後買い時か将来性から考察
LINEヤフーの株安理由と今後買い時か将来性から考察してきました。
改めて、なぜLINEヤフーの株価は安いのか?理由をまとめると、
- 株式の希薄化によってEPSが低いから
- 新株予約権発行による需給悪化が嫌気されたから
- 大幅減益の業績見通しがネガティブ視されたから
しかし、こうしたリスクを払拭するための対応を着実に実施している印象が見受けられます。メディア事業における広告の売上成長も著しく今後の展開にも期待されます。
株式投資で損しないためにはどうすればいい?
株式投資に挑戦したいけど、株で損を出したくはない…
投資初心者に限らず、誰もが感じること。
「株式投資で損しないためにはどうすればいいのか?」
そもそも株式投資を始めた理由は、資産を増やしたい、将来の不安を減らしたいという思いからではないでしょうか?
しかし、株式市場にはリスクが伴い、誤った判断をすれば大きな損失を招く可能性があります。大切なお金を失わないために、そして確実に資産を増やすためには、適切な知識と判断力が必要です。
知識がないままで株式投資を始めた場合、たったの20%の人しか利益を出せないと言われています。
ご紹介するファイナンシャルアカデミーの株式投資スクール
経験豊富な講師が、あなたが抱える不安や疑問を解消し、正しい投資戦略を身につけるお手伝いをします。
ファイナンシャルアカデミーは、特定の企業や金融商品に偏らない中立の立場を取った、創立19年の総合マネースクールです。
「もう失敗したくない」という方にとって、無料で体験学習会に参加できる 株式投資スクール