

「ソフトバンクの株価はなぜ上がらない?今後どうなるか将来性を教えてほしい!」
こんな疑問、悩みに答えます。
本記事では「ソフトバンク株の今後が不安な方」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。
- ソフトバンクの株価が上がらない理由
- ソフトバンクと同業他社を業績・株価・配当性向から比較
- ソフトバンク株は今後どうなる?買うべきか将来性から考察
なぜ、ソフトバンクの株価は上がらないのか?
そして、ソフトバンクの将来性・配当実施はどうなるのか?
ソフトバンク株の購入を検討している方や買い時を探っている方にとって、非常に気になる情報です。
気になるソフトバンクの株価が上がらない理由と今後どうなるか将来性について考察していきます。
結論、ソフトバンクの株価が上がらない理由は「財務状況と配当政策への懸念」
ソフトバンクの自己資本比率は20%と下回っています。
競合の大手通信キャリアと比較しても、20%を下回るのはソフトバンクのみ。
さらに、配当性向は毎期85%程度とする方針を掲げており、減配リスクも避けられません。
これらの財務上の懸念から、ソフトバンクの株価は上がらない状況が続いているとみられます。
そして、ソフトバンク株にしても、株価の下落はいつ起こるか誰にも予測できません。
今では、物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
そんな先の見えない時代だからこそ、「将来への備え」は重要です。
ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?
ソフトバンクに限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります。
ソフトバンク(9434)とはどんな会社?
ソフトバンクの株価が急落した理由に触れる前に。
はじめに、ソフトバンクとはどんな会社か?基本情報をまとめます。
社名(商号) | ソフトバンク株式会社 |
---|---|
住所 | 東京都港区海岸一丁目7番1号 |
設立年月日 | 1986年(昭和61年)12月9日 |
資本金 | 204,309百万円(2023年3月31日現在) |
発行済株式 | 4,794,172,070株(2023年9月末現在) |
従業員数 |
単体:19,045人(2023年3月31日現在) 連結:54,986人(2023年3月31日現在) |
事業内容 | 移動通信サービスの提供、携帯端末の販売、固定通信サービスの提供、インターネット接続サービスの提供 |
業績
まずソフトバンクの業績についてです。
出典: ソフトバンク「経営成績の推移」
事業内容
次にソフトバンクの事業内容は以下の通りです。
出典: ソフトバンク「セグメント別業績」
- コンシューマ事業
- エンタープライズ事業
- ディストリビューション事業
- メディア・EC事業
- ファイナンス事業
- 新領域
売上の半分を占めるのが「コンシューマ事業」
いわゆるソフトバンクの核となる通信事業がこれらに含まれています。
配当・株主還元
ソフトバンクの配当・株主還元についてです。
ソフトバンクの1株あたり配当金の推移は以下の通り。
今期(2024年3月期)の予想は、前期実績と同じく86円です。
ソフトバンクの1株あたり配当 | 中間配当 | 期末配当 | 合計 |
---|---|---|---|
2024年3月期(予想) | 43.0円 | 43.0円 | 86.0円 |
2023年3月期 | 43.0円 | 43.0円 | 86.0円 |
2022年3月期 | 43.0円 | 43.0円 | 86.0円 |
2021年3月期 | 43.0円 | 43.0円 | 86.0円 |
2020年3月期 | 42.5円 | 42.5円 | 85.0円 |
2019年3月期 | – | 37.5円 | 37.5円 |
(出典:ソフトバンク「株主還元・配当」)
2023年3月期に受け取れる1株あたり配当は「86円」
つまり、ソフトバンクを100株保有していれば「8,600円」受け取れることになります。
株主優待は、ありません。
過去5年の株価推移
そしてソフトバンクの過去5年の株価推移についてです。
ソフトバンクが上場したのは、2018年12月19日。
上図は、上場後の過去5年間における株価推移を示したチャートになります。
見ての通り、上場直後から株価の値動きは激しく、高値を抜けることなくさえない相場展開が続いていました。
そして、2020年8月に株価は急落。
原因は政府主導で推し進められた「携帯料金の値下げ」が挙げられます。
実際、ソフトバンクだけでなく、その他大手通信キャリアも軒並み株価は下落しました。
同年10月に株価は反発するも上値が重く、2023年までずっと横ばい。
足元では高値を抜けて、2023年11月14日に晴れて上場来高値(1,781.5円)を更新。
しかし、今後どうなるか?
株価がなかなか上がらないソフトバンク株に注視していく必要がありそうです。
ソフトバンク株にしても、株価の下落はいつ起こるか誰にも予測できません。
さらに今では、物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
そんな先の見えない時代だからこそ、「将来への備え」は重要です。
ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?
ソフトバンクに限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります。
ソフトバンクの株価はなぜ上がらない?3つの理由
前述の通り、ソフトバンクの株価はなかなか上がらない相場展開が続いています。
なぜ株価は上がらないのか?
ここから早速、ソフトバンクの株価が上がらない3つの理由について解説します。
【理由1】自己資本比率が低いから
まず1つ目の理由が「自己資本比率が低いから」
自己資本比率が低い=借金が多いということ。
借金が多いと、将来の金利変動や利息の返済といったリスクが伴います。
経営の健全性や安全性の観点からも、自己資本比率が低い会社は市場からも嫌気されます。
そんな中、ソフトバンクの自己資本比率は極めて低い。
実際、以下の通り大手通信キャリア2社と比較しても明らかです。
大手通信キャリア比較 | ソフトバンク(9434) | NTT(9432) | KDDI(9433) |
---|---|---|---|
自己資本比率 | 15.2% | 33.8% | 43.0% |
※2022年度(2023年3月期)の情報
直近の決算だけではありません。
過去5年間の実績をみても、ソフトバンクの自己資本比率は20%を下回る状況となっています。
ソフトバンク|財務推移 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|---|---|---|
自己資本比率 | 18.6% | 10.2% | 12.6% | 15.0% | 15.2% |
(出典:ソフトバンク「決算短信」)
自己資本比率は、業種によりますが40%が平均的。
経産省の見解でも、大企業より中小企業の方が自己資本比率は低くなると解説しています。
ですので、ソフトバンクは自己資本比率が極めて低い会社であることがわかります。
ではなぜ自己資本比率は低い(借金が多い)のか?
名目上は、事業拡大・成長のための先行投資による借入等が膨らんだ結果です。
なんですが、競合と比較して低い状況は、懸念材料の一つ。
ソフトバンクの株価が上がらない理由の一つになっているのは、言うまでもありません。
【理由2】利益の伸び(EPS成長率)が悪いから
次に2つ目の理由が「利益の伸び(EPS成長率)が悪いから」
EPSとは、1株当たり純利益のこと。
企業がどれだけ利益を上げたかを表す、企業価値を判断する上で重要な指標の一つです。
企業の収益力・成長性をみる指標であるため、EPSが高い(EPS成長率が高い)と株価も上昇しやすいといえます。
このEPS成長率について、ソフトバンクは残念ながら低いです。
実際、大手通信キャリア2社と比較してみると、結果は以下の通りとなります。
大手通信キャリア 【EPS成長率比較】 |
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 前期比の成長率 | 前々期比の成長率 |
---|---|---|---|---|---|
ソフトバンク(9434) | 103.85円 | 110.04円 | 112.53円 | 2.3% | 8.4% |
NTT(9432) | 248.15円 | 329.29円 | 347.99円 | 5.7% | 40.2% |
KDDI(9433) | 284.16円 | 300.03円 | 310.25円 | 3.4% | 9.2% |
競合はいずれも3%を超える成長を達成。
しかし、ソフトバンクは前期比のEPS成長率がわずか2.3%。
さらに、NTTは中期経営計画でもEPS成長を重要指標の一つに掲げており、利益伸長が基本とする方針を示しています。
KDDIでも、中期経営戦略サマリーにて「EPS成長は引き続き19.3期対比1.5倍を目指す」と具体的に取り組んでいます。
競合と比較して、見劣りしてしまうのは否めない。
他の銘柄が魅力に映れば、ソフトバンクの株価は上がらない原因になってしまっています。
【理由3】高すぎる配当性向に減配リスクが懸念されるから
そして3つ目の理由が「高すぎる配当性向に減配リスクが懸念されるから」
ソフトバンクの配当性向は、80%前後です。
有価証券報告書に記された配当政策には、総還元性向85%程度にする方針を掲げています。
日本企業の配当性向の平均は、30%程度といわれています。
そんな中、ソフトバンクの配当性向は、異常と言っていいほど高い水準であるのがわかります。
配当金を出してくれるのは、投資家にとっては嬉しいこと。
なんですが、配当性向が高すぎる銘柄には注意が必要です。
なぜなら、業績が悪化すれば一転して「減配」となるリスクが高まるから。
実際、ソフトバンクの今期純利益見通しは4,200億円で、前期比21%の大幅減益を予想しています。
(※業績予想で大幅減益の原因はPayPay株式会社の子会社化に伴う影響)
にもかかわらず、配当金は前期から据え置きの86円。
配当性向は96.7%と、ほぼすべての利益を配当金に回す計画を公表しています。
懸念しない投資家はいないでしょう。
つまり、これら配当性向の異常な高さと業績の低迷が、ソフトバンクの株価が上がらない最たる原因といえるでしょう。
ソフトバンク株にしても、株価の下落はいつ起こるか誰にも予測できません。
さらに今では、物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
そんな先の見えない時代だからこそ、「将来への備え」は重要です。
ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?
ソフトバンクに限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります。
ソフトバンクと同業他社を業績・株価・配当性向から比較
ここまで、ソフトバンクのみにフォーカスし株価や事業の将来性を解説してきました。
ただ1社のみの分析では結果に偏りが生じます。
同業他社と比較・分析することで、結果の確度はより高まります。
ここでは、ソフトバンクと同業他社を業績・株価・配当性向から比較していきます。
大手通信キャリアの銘柄比較
まずソフトバンクと大手通信キャリアの銘柄比較をまとめた表が以下の通り。
比較表(2022年度) | ソフトバンク(9434) | NTT(9432) | KDDI(9433) |
---|---|---|---|
売上高 | 5兆9,119億円 | 13兆1361億円 | 5兆6,717億円 |
当期純利益 | 5,313億円 | 1兆2131億円 | 6,774億円 |
営業利益率 | 17.93% | 13.92% | 18.97% |
自己資本比率 | 15.15% | 33.83% | 42.98% |
ROE (自己資本利益率) |
25.39% | 14.40% | 13.41% |
EPS (1株当たり純利益) |
112.53円 | 347.99円 | 310.25円 |
PER (株価収益率) |
13.59倍 | 11.35倍 | 13.16倍 |
PBR (株価純資産倍率) |
3.25倍 | 1.60倍 | 1.72倍 |
配当性向 | 76.4% | 34.5% | 43.5% |
配当利回り | 5.62% | 3.03% | 3.30% |
※2023年3月末時点(数値はEDINET、Yahoo!ファイナンスから引用)
【比較1】ROEが20%超えと優れた収益性
まず競合比較でも明らかなのは「ROEが20%超えと優れた収益性」
【比較2】配当利回りは5%強と高い水準
次に客観的にみてわかるのは「配当利回りは5%強と高い水準」
【比較3】配当性向はNTTの2倍以上と高い
そして懸念されるのが「配当性向はNTTの2倍以上と高い」
ソフトバンク株は今後どうなる?買うべきか将来性から考察
ソフトバンク株は買いか否か。
結論、買うのはリスクが高いでしょう。
なぜなら、今期業績見通しは大幅な減益を予想しているから。
さらに、配当性向に関しても減配リスクは払拭できてません。
EPSも低いことから、収益の改善が急務。
配当金目当てでも買いを入れるのはリスキーな動きといえます。
ソフトバンク株は今後どうなる?買うべきか将来性から考察していきます。
【考察1】ソフトバンクのみ今期業績見通しは減益予想
まず念頭に置いておきたいのが「ソフトバンクのみ今期業績見通しは減益予想」
【考察2】ソフトバンクグループの動向にも注視する必要あり
また「ソフトバンクグループの動向にも注視する必要あり」
【考察3】成長戦略「Beyond Carrier」実現に向けた企業価値の最大化
そして見届けるべきは「成長戦略「Beyond Carrier」実現に向けた企業価値の最大化」
【Q&A】株価が上がらないソフトバンク株に関するよくある質問
最後に株価が上がらないソフトバンク株に関するよくある質問をまとめます。
【質問1】ソフトバンク株の長期保有は危ない?

「ソフトバンク株の長期保有は危ない?」
【質問2】ソフトバンクの株価のAI予想は?

「ソフトバンクの株価のAI予想は?」
【質問3】ソフトバンクグループは今後どうなる?

「ソフトバンクグループは今後どうなる?」
まとめ:ソフトバンクの株価はなぜ上がらないのかの理由と将来性
ソフトバンクの株価はなぜ上がらないのかの理由と将来性について考察してきました。
改めて、ソフトバンクの株価はなぜ上がらないのかの理由をまとめると、
- 自己資本比率が低いから
- 利益の伸び(EPS成長率)が悪いから
- 高すぎる配当性向に減配リスクが懸念されるから