「日本郵船の配当利回りはなぜ高い?配当金が増えた理由は?今後の見通しも教えてほしい!」
こんな疑問、悩みに答えます。
本記事では「配当狙いで日本郵船株を購入しようか検討している方」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。
- 日本郵船の配当利回りが高い理由
- 日本郵船と海運銘柄を配当利回りで比較
- 今後の日本郵船の配当利回り見通しを考察
なぜ、日本郵船の配当利回りは高いのか?
そして、今後の配当利回りの見通しはどうなのか?
そんな気になる日本郵船の配当利回りが高い理由と今後の見通しについて考察していきます。
結論、日本郵船の配当利回りが高い理由は「純利益が激増したから」
配当に回す原資が増えたということ。
かつ株主還元策にも積極的なため、配当利回りは高いです。
また、その他海運銘柄で比較しても、日本郵船の配当利回りは高い水準だといえます。
ですが、今期の予想配当利回りは急激に低下。
業績の悪化が主因ではあるものの、そもそも海運業界は業績が安定しない景気敏感株の一つ。
配当狙いで入るのは、リスクも高いと言わざるを得ません。
さらに、日本郵船の株価がいつ下落するか、誰にも予測できません。
株価下落に見舞われれば、配当金どころか大きな損失を被る可能性もあります。
だからこそ、不安の解消に「将来への備え」は重要です。
ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?
日本郵船に限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります。
日本郵船の配当利回りはなぜ高い?3つの理由
日本郵船の配当利回りは「16.83%」
(※ 2022年度の実績かつ2023年3月末時点の株価から算出)
プライム全銘柄の平均利回りは2.0~2.2%程度です。
比較しても、日本郵船の方が8倍以上も配当利回りは高いことがわかります。
つまり、日本郵船の配当利回りは非常に高い銘柄。
ではなぜ、配当利回りは高いのか?
具体的な日本郵船の配当利回りはなぜ高いのか3つの理由を解説します。
【理由1】配当金を4期連続で増配したから
まず1つ目の理由が「配当金を4期連続で増配したから」
配当利回りの計算式は、以下の通りです。
つまり、配当利回りが高くなる要因は2つしかありません。
- 配当金が増えるか
- 株価が下がるか
日本郵船の場合、配当金が増えたことによって、配当利回りも高くなりました。
実際、日本郵船の配当金の推移を見ると以下の通り。
直近実績にあたる2022年度は、520円と4期連続で増配しているのがわかります。
日本郵船|利回り推移 | 配当金 | 株価(期末終値) | 配当利回り |
---|---|---|---|
2022年度 | 520円 | 3,089円 | 16.83% |
2021年度 | 483円 | 3,586.66円 | 13.48% |
2020年度 | 67円 | 1,258.33円 | 5.30% |
2019年度 | 13円 | 428.67円 | 3.11% |
2018年度 | 7円 | 540.67円 | 1.23% |
(出典:日本郵船「配当・株主優待」)
むしろ株価は上がっているのに、配当利回りも高い。
なので、配当金が増えたことが、日本郵船の配当利回りは高い最たる要因だといえます。
【理由2】コロナ特需で純利益が激増したから
次に2つ目の理由が「コロナ特需で純利益が激増したから」
ではなぜ、配当金は増配したのか?
答えは簡単で、日本郵船の業績が好調だったから。
配当金の原資は、企業が稼いだ純利益です。
この純利益が、日本郵船はコロナの影響等で激増した結果、配当金も増えたということ。
純利益の拡大とともに、配当金も増加。
先の計算式でも示す通り、配当金が増えれば、配当利回りも当然高くなります。
実際、純利益と1株当たり配当金をまとめた業績推移を見ると、以下の通りとなります。
日本郵船|業績推移 | 純利益 | 1株当たり配当金 | 配当利回り |
---|---|---|---|
2022年度 | 1兆125億円 | 520円 | 16.83% |
2021年度 | 1兆91億円 | 483円 | 13.48% |
2020年度 | 1,392億円 | 67円 | 5.30% |
2019年度 | 311億円 | 13円 | 3.11% |
2018年度 | -445億円 | 7円 | 1.23% |
(出典:日本郵船「有価証券報告書等」)
推移をみれば明らかですね。
4年前(2019年度)と比較して、利益は約33倍、配当利回りは約5.4倍にまで伸長しています。
ではなぜ、日本郵船の利益は、ここまで激増したのか?
主因は新型コロナウイルスの影響ですが、要因を分解すると以下の通りです。
- コロナの影響による物流需給の逼迫で運賃高騰が長期化したため
- 円安が急速に進み、輸送契約の多くがドル建てで行われていたため
- 自動車輸送で輸送需要の変化に柔軟に対応し輸送ニーズの取り込みに成功したため
つまり、コロナ特需を掴んだ結果の配当利回りの高さだといえます。
ただ、2023年度の予想配当利回りは2%台にまで急落。
原因は、コロナ特需消失による大幅減益見通しで、配当金を減配したことが主たる原因になります。
さらに、日本郵船の株価がいつ下落するか、誰にも予測できません。
株価下落に見舞われれば、配当金どころか大きな損失を被る可能性もあります。
だからこそ、不安の解消に「将来への備え」は重要です。
ではどうすれば、株式投資によるリスクを抑えられるようになるのか?
日本郵船に限らず、株価下落に備えておくべき「考え方」と「具体策」があります。
【理由3】株主還元策に積極的な経営方針を掲げているから
そして3つ目の理由が「株主還元策に積極的な経営方針を掲げているから」
会社の積極的な株主還元策なくして、配当利回りは高くもなりません。
しかし、日本郵船の配当方針をみると、積極的な株主還元策が掲げられています。
- 自己株式取得:2023年度~2024年度で2,000億円規模の自己株式の取得等を行い、資本効率を向上
- 配当性向:配当性向目安を従来の25%から30%へ引き上げ
配当性向については、2023年度~2026年度にかけて30%の引き上げると表明。
今までの日本郵船の配当性向は20~25%で推移していました。
この水準から30%に引き上げられるということは、株主への還元を手厚くするということ。
さらに、下限配当を導入したことも公表。
配当金額は1株あたり100円を設定し、事業ボラティリティの下方耐性強化が目的とのこと。
具体的な配当性向の目標数値および下限配当の設定。
投資家にとっては、非常に好感を持てる実施内容となっています。
つまり、日本郵船株は、個人投資家にも人気の優良銘柄ということ。
なんですが、優良でも万能ではありません。
日本郵船の株価も、下落がいつ起こるかわかりません。
株価下落に見舞われれば、配当金はおろか多かれ少なかれ損失を被る可能性はあります。
だからこそ「分散投資」という考え方が大切。
そして、株式以外にも定期収入を期待できる投資商品があります。
今では物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
そんな先の見えない時代だからこそ、不安の解消に将来への備えは重要です。
日本郵船とその他海運銘柄を配当利回りの高さで比較
ここまで、日本郵船の配当利回りはなぜ高いのか理由を解説してきました。
結論、利益が急拡大したから。
かつ業績連動型の配当を実施しており、株主還元策にも積極的なため、配当利回りは高いです。
ですが、その他海運銘柄と比較して、日本郵船株の配当利回りは高いのかどうか?
企業単体で分析しても評価しづらいため、日本郵船とその他海運銘柄を配当利回りの高さで比較してみます。
配当利回り比較表(2022年度) | 年間配当金 | 株価(期末日の終値) | 配当利回り |
---|---|---|---|
日本郵船(9101) | 520円 | 3,089円 | 16.83% |
商船三井(9104) | 560円 | 3,310円 | 16.92% |
川崎汽船(9107) | 400円 | 3,025円 | 13.22% |
プライム全銘柄 | -円 | -円 | 2.20% |
日本郵船の配当利回りは『16.83%』
東証プライム全銘柄における配当利回りは『2.2%』
比較しても、日本郵船の方が8倍近く高いのがわかります。
ただ、競合の日本郵船とはほぼ互角の水準。
川崎汽船も比較すると低いものの、東証プライム全銘柄よりは高い水準です。
つまり、海運株は総じて配当利回りが高い銘柄。
その中でも優等生なのが、日本郵船株だといえそうです。
日本郵船株は、個人投資家にも人気の優良銘柄。
なんですが、優良でも万能ではありません。
日本郵船の株価も、下落がいつ起こるかわかりません。
株価下落に見舞われれば、配当金はおろか多かれ少なかれ損失を被る可能性はあります。
だからこそ「分散投資」という考え方が大切。
そして、株式以外にも定期収入を期待できる投資商品があります。
今では物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
そんな先の見えない時代だからこそ、不安の解消に将来への備えは重要です。
今なら、利用者に対して特典やキャンペーンも受けられます。
今後の日本郵船の配当利回りはどうなる?見通しを考察
ここまで、日本郵船の配当利回りについて解説してきました。
結論、日本郵船の配当利回りは高い。
ですが、最も気になるのは「今後の見通し」
配当利回りの水準は今後どうなるのか?
もっといえば、配当狙いで買っておいた方がいいのかどうか。
気になる今後の日本郵船の配当利回りはどうなる?見通しを考察していきます。
【考察1】2023年度の予想配当利回りは「4%台」
まず確認しておきたいのが、2023年度の予想配当利回りは「4%台」
前期(2022年度)の16%台に比べると、今期の配当利回りは急激に低下しているのがわかります。
なぜここまで低下するのか?
主たる原因は、コロナ特需消失による大幅減益見通しで、配当金を減配したことにあります。
実際、今期(2023年度)の1株当たり配当予想は「130円」
(内訳は、中間配当が「60円」、期末配当が「70円」、2023年8月3日付けのリリースから引用。)
前期は520円だったので、390円の減配。。
業績の見通しと状況から鑑みるに、10%超えの超高配当は期待できないでしょう。
【考察2】海運銘柄の業績は市況次第(=景気敏感株)
業界の特性上、「海運銘柄の業績は市況次第(=景気敏感株)」
業績が良ければ、基本的に配当も増えます。
配当が増えれば、配当利回りも高くなります。
なんですが、海運業界は、その業界特性上、業績が安定しません。
なぜなら、業績が外部要因の影響を大きく受ける業界だからです。
ここでいう「外部要因」とは、以下のような要因を指します。
- 荷動き
- 運賃市況
- 為替レート
- 原油価格
つまり、海運業界は市況性が高いということ。
「景気敏感株」と呼ばれるほど、業績変動が大きい業界といえます。
業績変動が大きければ、先の見通しを立てるのは至難の業。
今回のように、突然の減配かつ配当利回りの低下も今後大いに起こりえます。
従って、長期保有はリスクがあり、配当狙いも難しい銘柄と言わざるを得ないでしょう。
【考察3】引き続きリスクは高いが魅力もある銘柄
以上のことから「引き続きリスクは高いが魅力もある銘柄」
配当利回りが高いのは、銘柄としては魅力の一つ。
長期保有ではなく、短期で配当を狙うには、投資戦略としてはありなのではないでしょうか。
ただ、株価下落に見舞われれば、配当金はおろか多かれ少なかれ損失を被る可能性はあります。
だからこそ「分散投資」という考え方が大切。
そして、株式以外にも定期収入を期待できる投資商品があります。
さらに今では物価ばかり上がって、でも給料は上がらない。
そんな先の見えない時代だからこそ、不安の解消に将来への備えは重要です。
今なら、利用者に対して特典やキャンペーンも受けられます。
【Q&A】配当利回りが高い日本郵船株に関するよくある質問
最後に配当利回りが高い日本郵船株に関するよくある質問をまとめます。
【質問1】日本郵船100株で配当金はいくらもらえる?
「日本郵船100株で配当金はいくらもらえる?」
今期(2024年3月期)の配当予想は「130円」
つまり、日本郵船を100株保有していれば「13,000円」受け取れることになります。
【質問2】日本郵船の配当金で生活は送れる?
「日本郵船の配当金で生活は送れる?」
【質問3】2024年3月期の日本郵船の配当予想はいくら?
「2024年3月期の日本郵船の配当予想はいくら?」
2023年8月3日付のリリースにある通り、2024年3月期の年間配当予想は「130円」です。
まとめ:日本郵船の配当利回りが高い理由と今後の見通し
日本郵船の配当利回りが高い理由と今後の見通しについて情報をまとめてきました。
改めて、日本郵船の配当利回りが高い理由をまとめると、
- 配当金を4期連続で増配したから
- コロナ特需で純利益が激増したから
- 株主還元策に積極的な経営方針を掲げているから